機械式時計の三大複雑機構を知ろう
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高級時計の世界はとても奥深いものです。
言ってしまえば時刻がわかるだけ、日付がわかるだけの機能でありながら、数百万円~数千万円という途方もない金額の時計も珍しくありません。
もちろんそれらの時計は普段身につけるものでありながら、メンテナンスを怠らなければ、一生涯使い続けることができます。
さらに電池式時計と比較して機械式時計は、電池切れが無く、メンテナンスや修理が行えるため、まさしく一生モノとなります。
機械式時計ですが、時刻を表示する以外にも様々な機能を有しているモデルがあります。例えばストップウォッチ機能をもつ「クロノグラフ」、月齢を表示する「ムーンフェイズ」などがあります。
そのなかでも機械式腕時計には、三大複雑機構と呼ばれる機能があります。「トゥールビヨン」、「パーぺチュアルカレンダー」、「ミニッツリピーター」です。
これらは機械式時計のなかでも最高峰の機構と言われています。
それぞれどんな機能でしょうか。順番にみていきましょう。
トゥールビヨン
これは機械式時計の精度向上に関する機能です。
機械式時計の弱点のひとつが精度です。例えば電波時計であれば時間はほとんど狂いませんが、機械式時計であれば月に数分は普通にずれます。
そもそも機械式時計は、調速機と脱進機という二つの機構により、正確に時を刻んでいます。
調速機はヒゲゼンマイという細いバネが伸びたり縮んだりすることで、テンプという輪っかをまわす機能です。
脱進機は調速機が動くための動力を与えると共に、調速機の動きを制御する機能です。
詳細はこちらのサイトがわかりやすいです。
機械式時計の精度を狂わせる原因の一つが姿勢差と呼ばれるものです。これは同じ姿勢でいると、ヒゲゼンマイが重力の影響でたわんでしまうことを言います。ちなみに今時の機械式時計ではそんなことはありません。
姿勢差をただすためにはどうすればいいかというと、調速機と脱進機の機構そのものを一定間隔で回転させちゃえばいいわけです。そうすると姿勢差が無くなります。この回転させる機能がトゥールビヨンです。
↓の動画がわかりやすいです。
ちなみに現在の時計は、姿勢差の影響はほとんどなく、トゥールビヨンは動きの美しさを見るために買うことが多いです。
高級時計でトゥールビヨン付きだと1,000万円以上する場合がほとんどです。
フランクミュラー トノウカーベックススケルトン トゥールビヨン ¥24,840,000-
パーペチュアルカレンダー
永久カレンダーとも言いますが、日付を表示することに関する機能です。
機械式時計でも、日付を表示する機能が付いているものは多くあります。トリプルカレンダーと言われる、月、日付、曜日を表示する機能が付いているものもあります。
ただ、それらの日付は例えば30日しかない月だったり、28日しかない月、29日ある閏年などの際には手動で日付を調整する必要があります。これらを自動的に調整する機能がパーペチュアルカレンダー機能です。
機械式時計は電子的な制御装置を持たず、歯車のみでこの機能を実現するにはどれだけ大変かがわかるかと思います。
トゥールビヨンに比べると実用的な機能でありながら、数百万円~購入することができます。(それでも安くはないですが・・・。)
ブランパン ヴィルレ パーペチュアルカレンダー ¥3,850,000-
ミニッツリピーター
これは、音で時間を知らせる機能です。時計にある操作をすると、時・分を知らせる鐘が鳴ります。
大小二つの鐘が付いていることが多く、大きな鐘のなる回数で何時かを知らせ、小さな鐘のなる回数で、何分かを知らせ、さらに大小の鐘を同時にならすことで15分ごとの時間を知らせます。何時+15分+何分という形で時を知らせます。
トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーに比べてさらに複雑な機能であり、あんまり実用性はありませんが、値段はさらに高くなる傾向があります。
ブルガリ オクトフィニッシモ ミニッツリピーター ¥15,620,000-
グランドコンプリケーション
これらの機構nは、一つついているだけで数百万円は下らない価格になります。まさに機械式時計の頂点ともいえる機能群です。
さらにこれらの機能が複数付いているモデルのことを「グランドコンプリケーション」と言います。
このクラスになると数千万円以上の値段がつきます。そもそもグランドコンプリケーションを作ることができるブランドは極わずかです。
金額的にはもはや退職記念に退職金全部突っ込むくらいの勢いですね。
A.ランゲ&ゾーネ グランドコンプリケーション 約2億円
というか生涯賃金を突っ込むくらいの勢いですね。
なかなかこのレベルの時計を買うことができる人はいないと思いますが、ロマンの詰まった時計です。
あなたの人生を共に歩む相棒として最適な時計を買ってはいかがでしょうか。